2011年09月19日

【中川淳一郎】ウェブはバカと暇人のもの

そうですよね、ブログなんて書いてごめんなさい。

反省します。

はい、では反省したところで書評しちゃいます。

最近のソーシャル○○みたいな言葉に浮ついている人に是非読んで欲しい(と著者は考えているはずな)本です。

ブログやtwitterなどのツールが多くの人に使われていますが、そういう人たちの多くがやっているのは

(帰省先で)「○×なう。」

とか

(仕事から帰って)「洗濯してます。」

とか至極どーでもよい話をUPしたりツイートしたりすることです。

一部の有名人を除くと、大半の人はインターネットをヒマつぶしの道具として利用しています。

そういう人達に、綺麗なFlash動画とかつくって、商品のコンセプトを説明したりしても無駄ですよということが書かれています。

もっとバカになって、くだらなくて掴みはOK的なプロモーションをする位がちょうど良いらしいです。

これはこれで、現実なんだなという感想です。

ただ、著者はニュースサイトの編集者だったからだと思いますが、技術的な視点が抜けすぎていると思います。ネットの中で新技術が生まれるかどうかといった話(これはかなりありえない話)ではなくて、技術を広めるのにネットがかなり役に立っているということです。

プログラミング系の技術はTVではまず取り上げられないので、本を買うかネットで調べるしかありません。本は軽く2000〜3000円はするので、大抵の人はまずネットで調べると思います。

プログラミング言語のリファレンスやライブラリのリファレンスですね。

そして、多くの人が自分の環境(OS、ブラウザ)でのライブラリの挙動などをブログやサイトに載せることで、本や公式リファレンスでは得られない痒いところに手が届く情報を共有することができます。
(※一応、このブログでは、自分の環境でプログラムを動作させて結果を確認してからUPしています。)

とは言いつつも、ネットってまだまだマイナーな存在なんだなぁと思いますね。でも、プログラマにとってはマイナーな位が丁度良いです。

むしろ、もっとマイナーだった時代に戻りたいです!!

というわけで、ネットやる人は読んでおいた方が良いです。自分達のネットでの行動を客観的な視点で知る事ができます。




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2011年09月15日

【岡田斗司夫】「世界征服」は可能か?

世界征服


誰でも一度は聞いたことはあるけど、まともに考えたことはないのではないでしょうか?

本書はそんな方々に、考える指針を与える本です。

世界征服の目的や手順・意味を読みやすく快活な文章で説明しています。

世界征服はさまざまなアニメや漫画に登場する悪役の最終目的として使い古されてきました。

しかし、世界征服の目的や世界征服後のビジョンなどは描かれていません。

本書はそういったことに対する著者なりの見解が書かれています。


この本を読んで考えさせられる重要なポイントは
・世界征服とは人が人を支配すること
・悪の組織って民間企業と同じ
・支配者って結構大変
・現代における世界征服ってあまり意味がない
・スターウォーズのダース・シディアスってスゲー!
・世界征服より会社経営者が良い?
だと思います。

【世界征服とは人が人を支配すること】
当たり前かもしれませんが、人って他人を服従させることが好きな生き物ではないでしょうか。他の生き物(昆虫とか)を服従させたいとはあまり思いません。そもそもコミュニケーションとれないし・・・。人間の言葉や考えが理解できる存在でないと、支配しても楽しくないのです。

【悪の組織って民間企業と同じ】
世界制服を企む悪の組織って、民間企業と同じです。1人じゃ世界征服なんてできないから、必要な人材を組織に集める必要があります。すると、必然的に民間企業のような組織になります。予算を管理したり人事を行う部署ができるのです。
世界制服には武器や兵器開発が必要なのでその資金を稼ぐやめに、民間企業がやっているようなビジネスをやる必要もあります。あんまり良い例じゃないけど、オウム真理教がパソコンショップをやってたようなものです。

【支配者って結構大変】
支配者は2つの意味で大変です。組織の長として大変なのと、地球の支配者として大変なことです。
世界征服をするために組織をつくると民間企業のようになるので、支配者であるトップは、部下の面倒をみなければなりません。すると、一般企業で起こっている人事や御家騒動のような問題がでてきます。悪の組織ということを考えると、部下にとんでもないヤツがいて、いつ下克上されるかわかりません。戦国武将って部下に殺された人も結構いますが、そういう風になる可能性も考えられます。
そして、地球規模で起きているさまざまな問題も処理しなければなりません。国同士のもめごとだったり、紛争だったり、テロだったりします。
なんか、すっごく面倒ですね。

【現代における世界征服ってあまり意味がない】
「結局、支配者ってどれだけメリットがあるんだ?」って考えると、現代ではあまりお得とは言えません。世界征服をしても、受諾できる娯楽にさほど変化がないためです。
他人より広い家に住めたり、自分の命令を聞いてくれる人はいますが、人生の楽しさという点からみれば、苦労に見合ったものがあるとは考えにくいです。

【スターウォーズのダース・シディアスってスゲー!】
この本では、世界征服の手順についていろいろと書かれていますが、実際に世界征服する人がいるならば、スターウォーズのダース・シディアスのようなやり方をするのではないかと思います。
彼はパルパティーン議長として政治を乗っ取って一時的に世界征服を成し遂げました。つまり、体制の内部に潜入して、うまく立ち回り権力を掌握したのです。
体制に闘いを挑むって形だと、反乱分子というレッテルを張られてしまって、支持が得られません。なので、自分が正義だと世間に思わせることで、事を運びやすくしたのです。
周到なやり方です。

【世界征服より会社経営者が良い?】
この本を読んで、この結論に達してしましました。結局、民間企業と同じことをしなければならないのなら、民間企業のように合法なビジネスをして、それでお金を稼いで自分の好きなことに使った方が100倍楽しい人生になるような気がします。



なんだかんだで、いろいろと考えさせられる良書でした。




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2011年09月13日

【吉田実】「新・ぶら下がり社員」症候群

キャッチーなタイトルに目がいって買ってしまいました。

人材育成コンサルティング会社の社長さんが書いた本です。

肝心の内容ですが、「買って損しました。」って言うしかありません。

その理由を説明する前に本書の内容に触れておきます。

本書は「新・ぶら下がり社員」について書かれた本です。新ぶら下がり社員とは、真面目に仕事をするけど、主体性がない社員のことを指すらしいです。向上心・覇気がなく、言われた仕事しかしない社員です。

このような社員が増えると会社は成長しなくなるので、なんとかしましょうといった内容のことが書かれています。

以下、目次です。
第一章 急増する「新・ぶら下がり社員」
第二章 なぜ若者は「頑張れない」のか?
第三章 新・ぶら下がり社員の「目の色」を変える処方箋
第四章 新・ぶら下がり社員を増やすひと言・減らすひと言

目次で大まかな内容は想像できると思うので、内容の説明はこのくらいにしておきます。

それでは、このエントリの最初に言った「買って損しました。」の理由を説明します。

目次を見てもわかるように、本の構成はとてもわかりやすく読み易いです。各章の説明もその章だけでみれば「なるほどな〜。」と思える部分もあります。

この本に納得できない最大の理由は、第二章で新・ぶら下がり社員が増えた理由を説明しているのに、第三章の処方箋ではその理由(原因)を解決したり埋め合わせしたりする方法が述べられていないことです。

第二章では、新・ぶら下がり社員が増えた理由として、長期不況によって昇級・出世の望みが薄くなり、雇用面のしわ寄せが若者に集中しているといったことが書かれています。これ自体は現状の説明として正しいを思います。

問題は、こういった理由によって新・ぶら下がり社員になった人を奮い立たせる方法として、精神論のようなことしか提示出来ていない点です。著者が処方箋だと説明する「クエスト・ミッション」は社員に発破をかけてやる気を出させるだけで、第二章で説明した問題の解決や埋め合わせになっていません。

そもそもサラリーマンって、言われたことをやってお金を貰うことを目的にしている人が大半だから、そういう人に内発的な動機付けをするって無理がありますよね。

不況で給料が上がらないとかっていうのなら、会社の業績を上げる方法を考えて、給料の原資を増やす努力をするべきだと思うのですが・・・

人材育成が仕事だから、事業内容のことには関与しないだけなんでしょうか?

どーも、抜本的な解決になっていないと思います。

なんか、この本自体が著者の会社のマーケティングになっている気がします。

マーケティングでも良いと思うのですが、因果関係や話の筋道がしっかりした本をだして欲しいです。


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2011年09月10日

【野村克也】考える野球

名バッターで名キャッチャーで名監督の野村克也さんの著書です。

勝つための努力
諦める勇気
この2つの重要性が学べます。

【勝つための努力】
野村さんはテスト生で入団してトップバッターまで上り詰めたということから、他人の何十倍・何百倍の努力をしていることはわかるのですが、その努力の質というか方向性が他の選手とは全く異なっていることに驚きました。

同世代に活躍した長嶋さんや王さんもとてつもない努力をされていたと思います。王さんが一本足打法を完成させるための努力とエピソードなどはメディアでも結構取り上げられました。

そういった努力は、野球が上手くなるための努力と言えると思います。この本には書かれていないし、王さんの哲学が書かれた本も読んだことがないので確かなことは言えませんが、特定の投手を想定して練習をしていたというわけではなかったのだと思います。つまり、自分のフォームを良くして打つ力を向上させる努力だと言えます。自分の絶対的な力を高める努力です。

これに対して、野村さんは相手投手の癖や弱点を研究して自分が打てるようにするという努力です。もちろん、他の選手がやっているような練習もしていたと思うのですが、それだけでは一流にはなれないと考え、相手の研究をしたのだと思います。つまり、相手に勝つための努力です。

一部の天才を除けば、この勝つための努力、相手との差を縮める努力ってすごく大事だなと考えさせられました。

大抵の会社って、社内にも社外にも競争相手がいてその相手との相対的な評価でいろいろ決まる場合が多いと思います。

そんなとき相手と別の視点で考えて差別化できれば良いですよね。

【諦める勇気】
野村さんって、かなり合理的な方だな〜って思います。

簡単に言えば、「才能が無い分野は捨てて、別のことをやれ」ってことです。

野村さんは、投手には”本格派”と”技巧派”がいると説いています。(専門的なことはわかりませんが、僕なりに解釈すると)本格派は球の威力で勝負できる投手のことで、技巧派はコントロール・変化球・配球を駆使して抑える投手のことを指すようです。

野村さんの考えでは、前者になるには(球が速いとかの)生まれつきの才能が必要なのに対して、後者は変化球を覚えたり配球を工夫することを身につけることでなれるらしいです。

つまり、本格派になる才能がない投手は技巧派を目指せということです。

本格派は無理って言われた方は傷つくと思いますが、ぱっとしなかった投手が野村さんのアドバイスを受け入れて活躍していく様子がエピソードと共に書かれています。

自分ができないことではなく、ものになるスキルを磨いて勝負する。

そのためになりたい自分を諦める。

そういう勇気が大事なのだと思います。

これからの人生の参考にしていきたいです。


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2011年09月07日

【勝間和代】不幸になる生き方

あの勝間さんの著書「不幸になる生き方」です。

実は、勝間さんの本は読んだことがなかったのですが、昼休みに本屋で偶然手に取って、そのまま買ってしまいました。

僕の勝間さんに対する印象は、「マルチな活躍をされている人」という程度で、あまり好き嫌いといった感情はありませんでした。

なので、この本は結構素直に読めました。

この本は読者の視点によって評価が別れると思います。

第三者的な視点か当事者な視点かです。

僕個人は最近ストレスもなく精神的に余裕もあったので、第三者的な視点で読むことができたと思います。

当事者的な視点で読んでしまうと、自分が批判されていると感じる人も多いと思います。無責任になったり、人の陰口を言ったりといったことは誰にでもあると思うので、読む人が現在そういうトラブルを抱えていると読んでいてストレスになるかもしれません。

逆に、第三者的に客観視して読むと、「うん、そうだよね」っていう内容が書かれています。

ざっくり言うと、「他積な生き方は不幸になるから自責な人になろう」ってことです。

この命題はすごい正しいと思います。

そして、正論すぎるから批判されるんだなぁとも思います。

正論すぎて現実味がないと思う人もいると思います。

ただ、こういう自己啓発本を読む場合、自分の置かれた現状がどうこうというより、どうあるべきかということが大事なんだなとこの本を読んで考えさせられました。

そういう点から見れば、「自責な人になろう」っていう著者の主張は正しいと言えます。

普段はあんまり考えないようなことに気づかせてくれる良書でした。




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